「集客」や「販売促進」のための商品ディスプレイ・店舗装飾・飾り付けをお店や施設・売り場にご提案している有限会社次元クリエイトです。

日に日に暖かくなってきました。

桜のチラチラと散り始める頃ですけど、百貨店やショッピングモールなどのファッション関連の施設や売り場では、早いところでは4月の初旬から「初夏(アーリーサマー)」のテーマでディスプレイ・店舗装飾しているところがあります。

今回は、効果的なディスプレイ・店舗装飾の方法である「引き算」のディスプレイについて。

「引き算」「補色」で効果的に演出するディスプレイ・店舗装飾、飾り付けのテクニック

少ないからこそ、目立つもの。

春になると、陽も暖かくなり、たくさんの花が咲きますね。

普段は都心部を中心に活動していますが、たまの休日にドライブをしたり、仕事で少し田舎の方に行くと、山や川の風景が春にはたくさんの花で彩られて、目を楽しませてくれる。

 

ボクは、子供の頃からなぜかスミレの花が好きで、スミレが咲いているのを見ると、ついつい立ち止まって見入ってしまいます。

スミレは、ラッパの形をした花が、やや斜め下向きにつける独特の形で、菫色(すみれいろ)と言われる鮮やかな「紫色」や「薄紫色」の花色が特徴的な花です。

先日、ある仕事で訪れた会社のビル入り口にスミレの寄せ植えの鉢が置いてあるのを見つけた。

直径50センチほどの丸い鉢の中に、鮮やかなスミレの花が20〜30輪も咲いていたでしょうか。

「スミレの鉢植えなんて珍しいな」などと思いつつ立ち止まって、グリーンと菫色に染まった器をしばらく見入っていたのですが、何となく心に引っかかりというか、違和感を覚えたんです。

その違和感の正体が何かは分からないまま、ボクはビルへ入って行き、そのまま鉢植えの存在なんて、すっかり忘れていました。

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その後、別のお仕事で、とある地方の山間部のほうへ出かけたとき、約束の時間まで少々間があったので、車を停めて休めるところを探してみました。

すると、山の中腹にたくさんの花が咲き乱れる、小さいけれどとてもきれいなお寺がありました。

これは気持ち良さそうだと、さっそく車を降りて花々を見せていただくことにした。

花の種類には、さほど詳しくないので細かくお伝えすることができませんが、芝桜(シバザクラ)や辛夷(コブシ)など、春らしい花がたくさん咲いていました。

 

もう少しよく見ようと石段を上がりかけたとき、ふと足が止まった。

石の間に、ひっそりと咲いている数輪のスミレに気づいたのです。

そのとき、あのビル入り口の鉢植えに感じた違和感の正体が分かった。

ボクの中のスミレは、こんなふうに一輪、または数輪だけ静かに咲いているイメージなんです。

好きだからと言って、同じ種類のスミレを何輪も寄せ集め、見事に咲き誇っていても、それはボクのスミレのイメージじゃないんです。

スミレって、小さな一輪でも不思議と目を惹く魅力があります。

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「引き算」や「補色」を使ったディスプレイ・装飾、飾り付けのテクニック

都心部では、花見と言うとみんな一様に公園で場所取り合戦をしますね。

そんな公園の桜は密集していて一斉に満開になって、それはそれは見事です。

が、山間部の田舎道をドライブしていると、遠くの山肌にぽつん、ぽつんと桜が見える。

一本一本が離れていて、派手さはないけれど、なぜかとても心惹かれます。

 

このような体験を通して、これをディスプレイや店舗装飾に転換できないか、と考えてみました。

美しいものを、美しいからとたくさん飾るのではなく、少ない量を効果的に飾る。

効かせる。

 

例えば、

似た色味の商品を集めて、反対色の花を飾る。

テラコッタの雑貨を並べた棚には、青緑のガラス瓶を一つだけ。

緑の野菜の売場には、明るいオレンジのクロスを敷く、などなど。

もちろん、取り扱う商品、販売する売り場の環境によってはボリューム重視だったり、種類をたくさん見せたりと、様々な考え方がありますが、何でもかんでも商品を並べ立て、ゴテゴテ飾り付けを考えるよりも、商品の色や形を引き立てる背景を考える方が、場合によっては効率的なんです。

 

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美術館の壁が白いのは、絵画の色味を邪魔しないため。

日本の陶器に暗い色の釉薬が多いのは、昔の薄暗い灯りの下で、茶色の多い和食が最も「美味しそう」に見える色が追求されたから。

考えてみれば、漆器の色なんて不思議ですよね。

中が朱色の汁椀がありますが、食べ物をおいしそうに感じさせるなら、まず白と考えそうなものです。

が、蝋燭や行灯の灯りの下では、あの朱塗りに味噌の色が「えも言われず旨そうなのだ」と言う人がいました。

そんな「贅沢」な体験を、一度はしてみたいものですが…。

 

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お店にとって、主役は商品。

商品ディスプレイ・店舗装飾には、お客様を「もてなす」役割もありますが、売場では主役である「商品」を引き立たせるものでもあります。

春だから桜!

花だからカラフルに!

と、一辺倒に考えるのではなく、取り扱う商品の色や形、素材の相性を考えて「引き算」してみたり「足し算」してみたり、「掛け算」「割り算」など様々な計算で考えてみると、少ないディスプレイ用品・装飾品でも「分かりやすく」「伝わる」効果的な店舗装飾・ディスプレイ、飾り付けになります。

 

 

ご興味が湧かれましたらぜひお試しください。

 

 

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野村 健(Takeshi Nomura)

有限会社次元クリエイト 代表: お店や施設、売り場のディスプレイ・店舗装飾、季節の飾り付け、POP(ポップ広告)制作を中心に、《集客》のための販売促進ツールのデザイン企画・制作、装飾品・インテリア・販促品の販売を行っています。 目指すことは、単なる「飾り」や「デザイン」ではなく、《共感性+意外性=面白い!》をテーマに、購買時点で消費者に「伝わる」《情報発信ツール》として、実店舗のディスプレイ・店舗装飾・季節装飾等の販促物制作を提供したい、と考えています。〜加盟団体:福岡県中小企業家同友会会員