こんにちは。 小さなお店の「売上げにつながる店舗装飾・ディスプレイ」をご提案している、ともながです。
ブログで記事を書くようになって、「あのステキなお店は、お客さまを喜ばせるためにどんな演出をしているのだろう」という好奇心が高まって高まって仕方ありません(笑)。
今はシェアの時代。
私が体感したことを「ねぇ、聞いて!あのお店、こんな素敵だったよーー」とお伝えしたことが、みなさんのお店のアイデア発想にお役に立つといいなぁと思って執筆しております。
本日はずっと気になっていた本屋さん、いろんな意味で「新しい」!
福岡で話題の福岡天狼院書店(福岡市中央区今泉)のお店づくりが、あまりにも素敵だったのでご紹介させていただきます。
Contents
既存のワクにはまらない書店「天狼院書店」とは?
みなさんは、本を読むのは好きですか?
私は好きなほうです。
(最近できた「泊まれる本屋さん」とか行ってみたい! コンセプトがたまらなくステキなんです。BOOK AND BED TOKYO)
我が家は積読(つんどく)状態。 ※「つんどく」とは…読みたいと思った本を買うだけ買って、まだ読まれず積まれている本)
どうにかしなければ・汗。
さてさて、天狼院書店は、2013年に東京・池袋にオープン。
最近の、お店の内装をおしゃれに演出したり、積極的にイベントを開催したり、いろいろと楽しい試みをしている「新しい本屋さん」の中でも、ひときわ「異色」と呼ばれている本屋さん。
英語部とか、旅部、デザイン部、ピアノ部などお客さま参加型のサークル活動の「部活」があったり、劇団公演を開催したり、映画をつくったり、とにかくいろんな「体験を楽しめる」本屋さんなんです。
そんな東京天狼院書店に続いて2号店として2015年9月にオープンしたのが「福岡天狼院書店」。
天狼院書店が提供するのは「READING LIFE ー本を通した体験ー」というライフスタイル。
それは「本」だけではなく、その先にある「体験」までもサービスとして提供するということ。
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天狼院書店に学ぶ、お客さまが喜ぶ6つの仕掛けづくり
仕掛け-1 読書の先の体験を提供する
ここでは、旅部や映画部、フォト部などの来店客がだれでも参加できるワークショップ型の「部活」があります。
旅の本を読む人は、きっと旅に行きたいから。
写真集を見たい人は、きっと写真やカメラが好きだから。
「では、一緒に行こう!」
ということで「本屋が行う修学旅行」と題して、部員でバスをチャーターして江ノ島にいってみたり(笑)
プロカメラマンを講師としてお呼びし、「私史上最高にSEXYな一枚を撮るポートレート講座」を開催したり(笑)
もともと小説家になりたかった店主の三浦さん。
三浦さんと外部講師をお招きしての「小説家養成ゼミ」を開講したり。
あの有名女性雑誌ar[アール]の編集長トークライブを、東京とつないでスクリーンでLIVE受講できたり(驚)
と、来店客が参加できる面白そうで本気度の高いイベントが定期的に行われています。
まさに、本を読むだけではなく、その先にある読者の「想い」までを汲み取り、体験で満たしてくれます。
仕掛け-2 思わず「長居したくなる」居心地の良い空間
木のぬくもりとやさしい灯りで「居心地の良い」店内では、カフェが営業していて、バニーニやホットドック、パフェやワッフルなども楽しめます。
もちろんドリンクもあり、アルコール(!)までもあります(笑)
カフェをご利用の方には、電源とWi-Fiが使用できるのでパソコン作業もできるし、本を読んだり、手紙を書いたり、自分時間が過ごせます。
私も少し仕事をして過ごしましたが普通のカフェと違って静かなので集中できました。
(人によってはカフェのザワザワ感が集中できる人もいますよね、私はもっぱら無音派です)
時間に支配されている感がぬぐえない私の日常。
それがここに来ると、時間が自分によりそってくれてる感覚。
居心地がとても良く、「また訪れたい」と思わせてくれます。
仕掛け-3 本のディスプレイ・陳列で「売りたい本を売る」
店主の三浦さんは、「本の見せ方」にもこだわりを持っています。
三浦さん…ある店舗に勤務していたとき、仕事が終わったあとに、その日の店内の定点カメラの映像をチェックして「どうやったらお客さんに本を手にとってもらえるか」、そして、手にとった本が「どれくらい実売につながるか」というデータをずっとつけていたんです。
本の積み方、並べ方を変えたり、ポップを書いたり、ちょっと「通りにくいくらい並べたほうが手にとってもらいやすい」とか、まあ、いろいろと試行錯誤していました。
結局、何のためにって「足を止めてもらうため」にやるんですが、売場には「異物感」があったほうがお客さんも、足を止めやすいんですよ。
で、足を止めて積まれた本を見たら何だか「気持ち良くなる」ように設計してます。
ガンダムのコックピットに座った感じ、というかなあ。
(2015-11-16Nほぼ日刊イトイ新聞より)
実際に店内を見回すと、お客さまと商品の距離から感じる心理を考え抜いて、導き出した 書籍のディスプレイ・陳列が店内のいたるところに仕掛けられています。
仕掛け-4 来客者と来客者をつなぐ
おおきなカフェテーブルの真ん中には、「天狼院ノート」が置いてあって、 来客者が自由に希望や意見を書き込めます。
そして、書かれたコメントはその日のうちに天狼院書店のFacebookページにスタッフさんの感想と一緒に写真がアップされます。
来店者の生のコメントは、初めてのお客さまや、まだ来ていないお客さまへも安心感をあたえますよね。
仕掛け-5 アイデアフルな企画
目をとめたのが「メゾン・ド・天狼院」。
書店内にあるマンションです。
月ごとの契約で当選すると、一か月間、一部屋(棚の一区画)を自由に使うことができます。
今まで読んできた中で、どうしても他の人にも読んでもらいたいと思う本を、 たくさん集めて並べてもよし。
ひとつテーマを決めてそれについてとことん本を集めるもよし。
お客さまが自分の好きな本を指定して、入居中はお店が発注・補充してくれます。
つまり、天狼院書店の中に自分の本棚が持てちゃう!
ちょっとした本屋のオーナー気分♪
POPをつけたり、小物を置いたり、飾り付けすることも可能なおもしろい企画です。
仕掛け-6 はじめてのお客さまへの心づかい
福岡天狼院書店は、ビルの2階にあって、階段が暗く、しずかーな場所にあります。
なので入り口の前に、宮沢賢治の注文の多い料理店になぞらえた「注文の多い書店」という文章(笑)があり、安心して入れるような思いやりがあります。 安心してください、最後に食べられるようなことはありません!
嗚呼、お店に入る前からステキ!
まとめ
- 部活やイベントなどを企画して、来店者の日常が今よりちょっとでも豊かになるイベントを定期的に行うことで、本を通してコミュニティを作り、仲間と一緒に楽しい体験ができる。
- 本棚、テーブル、床が木材で、木のぬくもりを感じる居心地のよい演出をしている店内は「なんだか落ち着く」「いつまでもここにとどまりたい」という気持ちをおこさせ、また訪れたくなる。
- 「これは、絶対オススメ!」という特に売りたい本は、店主の考え抜いた「本の見せ方」によってディスプレイ・陳列され、大ヒットする。
- お客さまの声をお客さま自身で自由に書ける仕組みを作ってSNSを使って拡散する。そうすることで、より良いお店づくりにつながるし、まだ知らぬお客さまの来店につながるし、来店したお客さまとお客さまをつなぐことがでる。
- はじめてくるお客さまを不安にさせないようにサインをだして、おもてなしの心を伝える。
いかがでしかた?
小さな個性的なお店やさんで、気づいたら長居していた・・・また来よう! と思ってもらえるには セレクトされている商品であったり、商品のディスプレイや空間に惹き込まれたり、その場で味わえるつながりだったりといろいろな要素が絡んでいるんですね。
今後のリアル店舗が、お客さまに選んでいただくためには、その場だからこそ味わえる「体験」が大切になってきます。
そのために、商品や空気感を直接お客さまに伝えることのできるディスプレイ方法を工夫して楽しい仕掛けづくりをしていきましょう!
天狼院書店 福岡
〒810-0021 福岡県福岡市 中央区今泉1-9-12
営業時間 : 10:00~22:00
Tel : 092-518-7435
http://tenro-in.com
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