店舗や施設のディスプレイ・装飾、飾り付けのヒント~看板サインの本質について

「歯痛」で思い出す、芥川龍之介さん「歯医者の看板」の話。

先週から「歯痛」が続いています。

haita

 

痛みどめを服用しながら仕事しているのですが、歯痛が起きるたびに思い出す文章があります。

とあるマーケティング会社の「ABOUT US」(会社概要)に掲載されていた文章。

5年ほど前、マーケティングについて模索していたところ、たまたまネットでヒットしたので、当時書き写して記憶に留めていた。

芥川龍之介は「侏儒の言葉」の中で、

〜〜歯医者の看板にしても、我々の眼に入るのは、看板の存在そのものよりも、看板のあることを欲する心、--ひいては我々の歯痛ではないか?〜〜

と言っている。

歯痛でない人にいくら歯医者の看板を見せても、記憶には残らない。ましてや、看板が溢れ返っていれば、目にも入ってこないというわけである。

「欲する心」を理解した上でマーケティングをしなければいけないということだろう。

芥川龍之介が生きた時代と比べ、「看板」どころではない多種多様な方法で「情報」が溢れ、「モノ」や「サービス」も比較的自由に手に入る現代社会において、人々の「欲する心」(嗜好)は多様化がすすみ、広告や販売促進が思うように人々に伝わらなくなってきています。

昔は、目に留まらない程度であった「欲していない」看板という情報も、今は、「ウザい」と感じ敬遠される時代。 

「欲する心を理解した上でマーケティングする」とは、どういうことだろう。

人々が「欲する心」とは、欲しいと思う心、願う、望む心。

上記文章の解説では「歯痛でない人にいくら歯医者の看板を見せても、記憶には残らない。ましてや、看板が溢れ返っていれば、目にも入ってこないというわけである」となっている。

それは理解る。

けれど、歯医者の看板の本来の意図は、「歯科医院」の存在を示すことも大切なんですが、看板を見た人に「歯医者」を連想させて、さらに「歯医者」を連想させて「歯痛」を思い出させること、つまり、看板を見た人々が「忘れていた自分のニーズ(欲求)」を想起させることも大切な役割なんだと思うんです。

この「歯医者の~」文章は、芥川龍之介さんが「自己欺瞞」について書いた一節で、上記の解説のような解釈ではなく、看板の本質の意図を明確にしているのだと思う。

「歯医者の看板を見て、看板の存在よりも、歯医者の存在よりも、自分の『歯痛』を思い出す」というわけです。

もちろん、「欲していない人」にいくら情報を伝えても意味がないのですが、「歯痛」は誰しもが経験する可能性が極めて高いことだから、歯科医院の看板は、現在でも有効な広告手段なんだと思う。

 

 

 

店舗や施設の看板やサインには「記憶を想起させるチカラ」がある

ボクが子供の頃の歯医者の看板は、青色に白抜きの文字で「△△歯科医院」というのが一般的で、「赤い色の郵便ポスト」と同じくらいの強いインパクトで記憶に残ってます。

post-photo

その青い看板を見ると子供ごころに「イヤ〜」なイメージがよみがえり、甲高い機械音や独特の匂いを思い出したものです。

看板には、そんな脳の奥底に仕舞っていた記憶を想起させる「力」があるんです。

 

現在の歯科医院の看板は、ネーミングからして「××デンタルクリニック」とか「○○スマイル歯科」などの表現で、出来るだけ「優しく」「爽やかに」「親しみのある」ビジュアルやカラーを使って表現しています。

まるで「歯痛」=「苦痛」を避けているような印象ですね。

もちろん、立地や対象者の年齢層、周辺環境によって表現する内容が変わってきます。

「痛み」を思い立たせて「信頼」をアピールするか、「痛み」を隠して「安心」を演出するか、といった感じです。

 

近年、歯科医院は歯科医院の増大や、人口の減少などで供給過多しており、大変厳しい経営をされていると聞きます。

そんな中、各医院ともに診療所の「独自性」を演出されています。

 

そんな歯科医院の「独自化」に、ディスプレイ・装飾、飾り付けもきっとお役に立てられると思います。

ディスプレイ・装飾は、空間を演出する機能、お客様に商品やサービスをプロモーションする機能、環境を演出する機能など、店舗や施設を取り巻く様々な事柄に細かく対応できるデザイン分野です。

 

歯科医院や産婦人科など人々に「信頼感」や「安心感」を与えるための演出をディスプレイ・装飾でお試しください。

 

 

 

 

 

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野村 健(Takeshi Nomura)

野村 健(Takeshi Nomura)

有限会社次元クリエイト 代表: お店や施設、売り場のディスプレイ・店舗装飾、季節の飾り付け、POP(ポップ広告)制作を中心に、《集客》のための販売促進ツールのデザイン企画・制作、装飾品・インテリア・販促品の販売を行っています。 目指すことは、単なる「飾り」や「デザイン」ではなく、《共感性+意外性=面白い!》をテーマに、購買時点で消費者に「伝わる」《情報発信ツール》として、実店舗のディスプレイ・店舗装飾・季節装飾等の販促物制作を提供したい、と考えています。