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お客様と「対等の関係」意識がある企業やお店は、ディスプレイ・店舗装飾、飾り付けで「独自アピール」している
このブログは、お店や施設のディスプレイ・店舗装飾、POP(ポップ広告)など販促物のお役立ち情報や豆知識を紹介するページです。
ディスプレイ・店舗装飾、飾り付けを導入するための基本的な考え方やコツ、アイテム紹介はもちろん、展開の方法や、発想の仕方、そしてビジネスや商売に関する「気づき」や「ヒント」など、お店や施設を運営する方々のお役に立てられるであろう様々な「情報」を、ディスプレイ・店舗装飾を通した視点で提案・発信しています。
今回は、近頃よくニュースなどで話題になる「クレーマー」と呼ばれるお客様(その時点で「お客様」ではないんですが…)について。
お店に「クレーマー」が発生するのはなぜか、「売る側」の意識から考えてみました。
なぜ増える?苦情の領域を超えた「クレーマー」
近年、購入した商品の欠陥やお客様への対応・サービスの仕方に不満をもつ消費者が、それを提供した企業やお店・施設などに対して、しつこく苦情を言ったり、過剰な要求をする「クレーマー」といわれる人々が目立ちます。
「クレーマー」とは、本来の苦情の領域を超えて、まるでアラ探しのような、言いがかりのような苦情を企業やお店・施設に寄せたり、執拗に抗議を繰り返したりする人たちなんですけど、
なぜ、こんなに「クレーマー」と言われる人たちが増えたのでしょう?
ニュースやインターネットなどで報道されているような過激なクレーマーは、ほんの一部の人々なのでしょうが、過激にはならずとも、ボク自身も含めて現代の多くの人々の、「売る側」「買う側」の意識は、「買う側」のほうが「高い位置」に居るようなイメージがあります。
「コッチは、お客だから_」みたいな意識。
それは、「お客様は神様です」という有名な言葉の誤解釈から生まれた「商売意識」だと思う。
「お客様は神様です」の間違った解釈
「お客様は神様です」は、三波春夫さんの名言です。
しかし三波春夫さんの、その言葉の真意は、
『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです』
私が舞台に立つとき、敬虔な心で神に手を合わせたときと同様に、心を昇華しなければ真実の藝は出来ない―――と私は思っている。
ということです。
三波春夫さんのオフィシャルサイトに詳細が書かれているので是非ご確認ください。
三波春夫さんの言葉を、「お客様」や関係者の人たちが、「都合よく解釈」して広まった言葉だったということが、よく分かります。
お金を払う側が、「高い位置」とか「偉い」とか、
「お客様なんだから、やってもらうのが当たり前」的な考えでは、ない。
誤解釈の言葉が、完全に一人歩きして、広まってしまったんですね。
この「高い位置」とか「偉い」とか「お客様なんだから、やってもらうのが当たり前」的な誤解釈が、いまだに多くの日本人の心の片隅に強く残っているような気がします。
そして、この誤解はなにも消費者側のことばかりではない。
企業や店舗などの売る側、商品やサービスを提供する側にも、同じような「お客様は神様だから」みたいな意識があることが問題なのではないか、とボクは思っています。
お客様は神様では、ない。
売る側は、あくまで「提供できる商品」や「サービスの技術」をもっているから、それらを「持っていない人」、または、それを「欲している人」へ提供し、その見返り、つまり報酬として「お金」をいただく、ということ。
買う側は、無かったモノ、足りなかったモノ、をお金を支払って手に入れることができます。
今まで、無かったモノ、足りなかったモノを購入することで、生活が楽になったり、心が満たされたり、不安や悩みが解消されたりして、「幸せな気分」を手に入れるのです。
だから、売る側と買う側は、対等なんです。
そういう意味で言うところ、商売(ビジネス)は基本的に対等です。
もちろん、その商品やサービスを「売る」ために、商品を販促でアピールしたり、接客したり、ディスプレイ・店舗装飾したりします。
言わば「営業努力」です。
しかし、そこで「売る側」が、相手に気に入られようとしてご機嫌をとったり、人の気に入るように振る舞ったり、「買ってください、買ってください」ばかり連呼したような表現で販促物を作っていると、買う側は「ならば、買ってやろう」という、錯覚した関係になってしまいます。
この時点でもう上下関係ができてしまっているわけです。
これでは、対等とは言えませんね。
お客様は決して神様ではありません。
消費者を接客して、自店の商品をおススメすることは、商売にとって必須なんですけど、相手に「媚・諂(へつら)う」必要は、全くないのです。
お客様自身は、その商品やサービスを通して「豊かで幸せな体験ができる…かもしれない」と、感情に響いたから、お金を支払ってまで、その商品を購入しています。
だから、売る側は、相手に気に入られようとしてご機嫌をとったり、人の気に入るように振る舞ったりすることなく、「対等」に、商品の良さ、サービスの充実性、「この商品やサービスをあなたが手に入れると、どんな体験ができるのか」、を「お話し」することで、消費者が納得することができれば購買につながります。
その場合は、売る側とお客様の関係性は「対等」ですよね。
接客と同様に、お店や施設のディスプレイ・店舗装飾、飾り付け、POP(ポップ広告)などの店頭の販促物でも同じことが言えますね。
商品やサービスのスペックやイメージばかり並べていても、「買ってください!」「この商品スゴイでしょ!」としか、映りません。
それでは、お客様に「本質」が伝わらないのです。
どころか、お客様は「勘違い」してしまう恐れがあります。
お客様のご機嫌をとったり、振る舞ったりばかりでは、商品やサービスの「本質」が伝わらない。
人々に気に入られようとして「低価格」でご機嫌をとったり、人々が気に入るように「過剰なサービス」を振る舞うことなく、
「この商品を買ったら、こんな良い体験ができて、心豊かな生活ができます!」
「こんな悩みが解決して、あなたに仕合せな毎日が過ごせます!」
など、
①その人が困っていること、
②悩んでいること、
③その人にとってメリットになること、
を堂々と「伝える」だけいいと思うんです。
なぜならば、それが売る側が提供する、商品やサービスの「本質」だから。
そんな商品やサービスの「本質を伝える」意識があるお店や施設には、POP(ポップ広告)やディスプレイ・店舗装飾などの販促物を必ず「伝える」手段として設置されています。
そして、そんなお店は、お客様との関係性も良好で「クレーマー」というモンスターは派生しないと思うのです。
商品やサービスを提供する側は、もっと自信をもって「独自の自己アピール」をして、お客様に商品やサービスの「本質」を伝えて、楽しんでもらえば良いと思います。
店頭のPOP(ポップ広告)やディスプレイ・店舗装飾などの販促物で演出して、想起させてみてはいかがでしょう。
まとめ
近年の「クレーマー」になる人々は、個々人の問題ではなく、「お客様は神様です」という言葉を、知らず知らずの間に勘違いして解釈してしまった日本人の商売(ビジネス)意識というか商売(ビジネス)文化から派生しているのだと思います。
誤解されて広まった「お客様は神様です」という言葉は、日本という国の商売(ビジネス)文化にとって「不幸」な言葉だとさえ思います。
売る側の企業やお店・施設、買う側の消費者など、双方の誤解を解いて、対等の立場で商品やサービスの「本質」を伝えたり受け留めたりすることこそが正常な商売(ビジネス)だと思います。
だから、敢えて「お客様は神様ではない」ということを広めて、もっと商品やサービスの「本質を伝える」ことで、お客様も「価格が安い」ばかりでなく、自らが「納得」してお金を支払って「心の豊かさ」を感じる世の中になったほうがいいんだと思う。
そして、店頭のディスプレイ・店舗装飾、飾り付けは、その時にきっとお役に立てられる販促ツールだと思っています。
ご興味が湧かれましたら是非お試しください。
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