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あなたのお店のメッセージは、誰に何を伝えたいですか?
今日のブログは、お店や施設、売り場などで、お客様が商品やサービスを目前にした「購買時点」での販売促進物(POP(ポップ広告)、店舗装飾、商品ディスプレイ・陳列など)を制作する前に、知っておくべき大切なことに気づかされたお話し。
「来店してほしいお客様」の「視覚」に配慮するPOP(ポップ広告)・サイン
春の日差しが暖かくなってきたある日、打合せのため市内を自転車で移動中、不思議な光景に出逢った。
明らかに齢80越えの高齢の女性が、前転しそうなほど大きく身体を前傾させて、地面すれすれまで顔を近づけてさらに大きく首を左にひねっている。
お辞儀をするより、ずっと深く頭を下げた不自然なポーズ。
あまりにも危なっかしいので、何か手助けできることはないか、と思い自転車の速度を落とし、ゆっくりと近づきながら見ていた。
何をそんなに熱心に見ようとしているのか…
おばあさんの視線の先には、蕎麦屋さんの店頭。
蕎麦屋さんの表に出ているメニュー表をよく見ようと、頭を大きく下げた、とても苦しく無理な体勢を取っていたのでした。
特に、お手伝いできることもなさそうだったので、その時は何も言わずにその場を通り過ぎましたが、しばらくの間、あのおばあさんのことが気になっていました。
メニューを貼り出した看板は、最近街でよく見かけるB3サイズほどの黒板。
通りを歩く人々にお店の場所やメニューを訴求するサイン。
飲食店やレストラン、美容室など、サービスを提供している店舗の入口などでよく使われていますね。
「メニュー」や「サービスの特徴」「料金設定」なんかもアピールできるから、単に幟でお店の存在をアピールするよりも具体的だし、いろいろ表現できて重宝します。
ただ、この黒板、地面に直接置くタイプのもので盤面が低い位置にあって、視力の弱いお年寄りには、屈み込まなければ読めなかったんです。
これが若者なら、立ったままでも読み取れたと思います。
個人差はあるけど、自転車で通り過ぎながらでも、金額まではっきり読めます。
例えば、その黒板が、若者向けのおしゃれなカフェや雑貨店のサインだったなら、そう問題はない。
でも、お蕎麦屋さんにとって「来店してほしい」お客様は、若者層だけではありません。
すべてのお年寄りが、あのおばあさんのように無理な体勢を取ってまで黒板のメニューを読んでくれるわけじゃない。
むしろ、彼女のようなお客様は、お店にとって“ありがたい”存在です。
メッセージは、伝えたい相手に伝わる方法で発信しなければ、いくら発信しても届かないのだなあ、と改めて感じました。
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購買時点での販促物、店舗装飾や商品ディスプレイは、センスよりも大切なことがある。
その数分後、お蕎麦屋さんからわずかに移動した先、こんどはディスカウントショップの前の歩道にサドルに跨がったまま自転車を停めて、熱心にじっと店先を見ている若い男性を見かけました。
彼の視線の先を見ると、《激安大特価!》のPOPが貼られた大型テレビが、店の軒先、高い場所にドン!と陳列されていた。
その若者はきっと、まさに今、「テレビが欲しい!」と思っていたのでしょうね(笑)
大型のテレビは高価なので、「どうしようか」と悩んでいた矢先、激安のディスカウント商品の陳列を見かけて、思わずブレーキをかけ、「メーカーは? 画面サイズは?」といろいろ確認していたのだろうと想像できます(笑)
この顛末がミョーに気になったので、ボクも自転車を止めて遠目に観察していると、お店のスタッフが《激安大特価!》の大型テレビを見入っている男性に気づいて店内から飛び出してきた。
スタッフの彼が男性に向かってにこやかに話しかけ、ディスプレイされた大型テレビを指さしたり、身振り手振り説明している様子。
すると、男性は何事か返答し、頷きながら自転車を降りて、スタッフと共に店内に姿を消した。
「お客様、ゲット!」の瞬間です。
若い男性も、欲しかった大型テレビ、《激安大特価!》でお得にゲット。
お互いが幸せな、Win×Winを目撃した瞬間でした(笑)
《激安大特価》などの価格を大きく貼り出す陳列方法は、決してスマートとは言えず、むしろ野暮ったく思われがちです。
基本的に、オシャレな雑貨店やセンスを問われるファッション関連のお店には似合いません。
ですが、ディスカウントショップの生命線は、カッコ良さよりお得感。
適材適所の演出は、直接「売り上げ」に影響するものです。
店舗装飾や商品ディスプレイ・飾り付け、POPポップ広告など、店頭や購買時点でお客様に直接アピールできる販促物は、センスよりも「どんな人」に「何の情報か」を明確にして「確実に伝える」ことが大切です。
せっかく準備する集客促進のためのツールですから、
「来店してほしいお客様」は、どんな人か。
「来店してほしいお客様」は、何をお望みか。
「来店してほしいお客様」は、どうしたら喜んでもらえるか。
「来店してほしいお客様」に、どうしてほしいのか。
などなど、「来店してほしいお客様」にもっと思いを寄せて、お店の「伝えたいこと」を「確実に伝える」こと。
お店の「伝えたいこと」を「確実に伝える」ためには、あなたのお店の「方針」や「方向性」、「世界観」、「来店してほしいお客様」の顧客視点できちんと考え、思いを寄せて取り組むことが大切です。
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