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「ライフスタイルを買う家電店」蔦谷家電を訪れて見えてきた小売業の将来
蔦谷家電は単なる「家電ショップ」ではなく『ライフスタイルを即、提案、体験できる』家電ショップ
先日、待望の「蔦谷家電」を訪れることができました。
2015年5月、二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケットの一角にオープンした話題の家電ショップ「蔦谷家電」。
書店・レンタル店の直営およびフランチャイズ事業、その他ネットエンタテインメント事業、並びに「Tポイント」の運営をしている「TSUTAYA」が、「ライフスタイルを買う家電店」として運営する話題のコンセプト家電ストアです。
オープニングの時は、超話題になっていたので、既に行かれた方も多いでしょう。
店内は2フロア構成で9つのテナントに加えて、「音楽」「PC関連」「ハウスキーピング」「美容」「健康」「キッチン」のように、売られる家電のテーマによってエリアが分割されています。
1階では旅行、デザイン、ワークスタイルなど、2階では人文、衣、食、住などの書籍・雑誌が書棚に陳列されていて、それぞれ陳列された書籍テーマに合わせた「家電」が配置されているという具合です。
書籍・雑誌から得る「新しいライフスタイル情報」のすぐ隣に、商品の実物がある、「新しいライフスタイルをすぐに体験できる」といったイメージ。
「蔦谷家電」は単なる「家電ショップ」ではなく、「書籍」+「家電」=ライフスタイルを即、提案、体験できる家電ショップなんです。
ショップというよりも、ミュージアム、展示会、展覧会に来たような気持ちにさせてくれる。
例えば、蔦谷家電のCDのコーナーには、各ジャンルのレンタルCDやセルのレコードが商品棚に陳列されていますが、コーナーの中心に置かれたテーブルには、多数のホームスピーカーやヘッドフォンが並んでます。
まさに音楽好きが、“音楽を聴く”ことに焦点を当てた商品陳列、そして商品セレクト。
あわせてロックTシャツがディスプレイされていて販売もされている。
スピーカーやヘッドホン、ロックTシャツに興味があるのは、やっぱり“音楽好き”な人々ですよね。
そして、機器に関して詳しい。
音楽の趣味嗜好は様々ですけど、できるだけ「良い音で聴きたい」と思うのは皆さん共通です。
聴きたい音楽CDを目の前にして、それを「良い音」で実現できる機器も目の前にあるんです。
「欲しく」なりますよね。
他にも、料理本やレシピ本のコーナーに沿うように「食」をテーマにした家電、炊飯器や電子レンジ、ジューサーやコーヒーメーカー。
「美容・健康」コーナーには、壁一面に陳列された豊富なドライヤーを中心に、ヘアアイロン、美顔器、スチーマー、フェイスアイロン、目元エステ、電気脱毛まで、様々な美容機器とマッサージチェアをはじめとするヘルスケア機器。
カフェや観葉植物を取り扱うショップもあり、もちろん販売されている書籍などを自由に楽しめるスペースや休憩用のソファなんかも充実しています。
そして、
古いけどカッコいいラジカセがディスプレイされていたり、書籍棚通路上部のオシャレなインテリア照明器具だったり。
ブガッティのエスプレッソマシン(BUGATTI ITALY DIVA ESPRESSO MACHINE RED 15-DIVAC3-100 )が展示されてあったり。
話題のドローンがディスプレイされていたり。
ソフトバンクのロボット、pepper(ペッパー)が子供たちと遊んでいたり。
トイレの蛇口が、掃除機のダイソン製「dyson AB09 ハンドドライヤー Airblade) 」だったり。
※画像はイメージです。
既存の家電量販店やショップではなかなか出来ない、書籍や雑誌を取り扱う「TSUTAYA」だからできるライフスタイル提案が随所にちりばめられています。
「蔦谷家電」を通して、TSUTAYAは単に書籍や雑誌を販売している会社ではない、ということを改めて思い直しました。
書籍や雑誌を「ライフスタイル情報」と捉え、本や雑誌を買いに来る人々の「書籍を購入した後(先)の目的」を体験できるストアを「蔦谷家電」で実現したんだと思います。
だから、すごく便利で、楽しくて、そして飽きない。
ショップというよりも、ミュージアム、展示会、展覧会に来たような気持ちにさせてくれる。
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店頭や購買時点で「購入意欲」を刺激する施策~「価格」だけではない、「価値」を提供してくれるお店。
以前から、本ブログで、
『実は「本当に欲しいモノ」は、消費者自身もわかっていない』
『モノ余りの時代に重要なことは、お客様に《ニーズを提案する》ということ』
『お客様に《ニーズを提案する》ために、《情報発信》としての商品ディスプレイや店舗装飾』
について、書いてきました。
記事はコチラ→ 「消費者ニーズ」を提案して喚起する方法~店舗装飾のメリット
それは、
「あなたの欲しいモノは、コレではないでしょうか?」
「あなたは、こんな生活がしたいのではないでしょうか?」
「コレを購入すると、あなたにこんなに良い事がありますよ。だから、購入しませんか?」
と、いうことをお店や施設の店頭、あるいは商品やサービスを目前にした購買時点で提案する。
つまり、
憧れの生活や、今よりもチョッと上級の生活。
新しい環境、知らなかった世界観。
新しいライフスタイル、価値観。
など、気づかなかったニーズに気づかせてあげる、ということ。
店頭や購買時点で「購入意欲」を刺激する施策をすることが重要な要素です。
「蔦谷家電」は、まさにソレを実現しているお店でした。
スゴイ。
早く福岡にもできないかなぁ。
「価格」だけではない、「価値」を提供してくれるお店。
これからは、こんなお店、販売方法が、小売業の中心になるんだと思います。
ご興味が湧かれましたら、関東方面へお越しの際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
きっと驚かれるし、楽しいし、満足できるはずです。
【店舗情報】
二子玉川 蔦屋家電
住所:東京都世田谷区玉川1−14−1 二子玉川ライズ・SC・テラスマーケット
営業時間:9:00〜23:00(1F BOOKのみ7:00〜23:00)
TEL:03-5491-8550
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