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「商品(サービス)価値の本質」を「個々の体験」によって「個々の価値観」に訴求する方法
人に「何かを伝えたい」と思ったときに、自分自身の「体験」をもとに語ることで、随分伝わりやすくなります。
台本を棒読みしたような説明よりも、「体験」したことや「体験して起きたコト」を、情景やその時の感情などを含めて、事細かく話すと、受け手側が、リアルな話しとしてその様子を頭の中で思い浮かべることが出来る。
商品やサービスを提供するお店や施設、売場などでもそれは同じこと。
商品やサービスを訴求・販売するには、その商品やサービスの「本当の価値」をいかにして人々に「伝える」か、ということが課題になります。
商品の名前やスペック(機能性)、価格だけを伝えるよりも、使ったらどうなるか、とか、〇〇な体験ができる、とか。
商品を購入してからの「体験」を明確に演出することで、お客様はその商品を使った時の「体験」を頭の中でリアルに想い描くことができますね。
人は、モノを購入するだけで「満足」するわけではありません。
モノやサービスを体験して初めて、納得したり、感激したり、満足したりして「商品(サービス)の本当の価値」を知ることができます。
その時の感情や満足感を「伝える」ことが、商品・サービスの価値の本質を「伝える」、ということなんですね。
「体験」をもとにするマーケティング「エクスペリエンス・マーケティング」について、自分なりに考えたことをまとめてみます。
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効率よくビジネスする時代から、「個々の価値観」を重要視するビジネスへの変化
「そこそこの好印象の体験」を活用している大企業の「体験」マーケティング
「体験」をもとにしたマーケティングは、「個々の価値観」に訴えるための手法です。
商品やサービスの「価値の本質」を、個人個人の「価値観」に訴えるために「体験」を使う。
現に一部の大企業では「体験」をもとに製品開発しているし、「体験」をもとにしてマーケティングされた商品がすでに世に出回っていたりしています。
テレビのCMを見ていても、アップルやトヨタなど一部の大企業が、「その筋」と言える演出をしていたり、スタバは「コーヒーを売るのではなく、【カフェのある生活スタイル】を日本の消費者に売った」ことで成功したと言われています。
「そこそこの好印象の体験」をもって、人々に自分の製品やサービスを売り込んでいるわけです。
製品開発する巨大メーカーや先進的サービスを提供する一部の企業は、そのことにいち早く気づいていています。
一つの製品を規格化して大量に生産、大量に売る「効率化」重視より、ひとつの製品のバリエーションを増やしたり、個々にカスタマイズできるような工夫がなされていたりしますね。
確かに企業にとっての「効率」は悪くはなるけど、大量生産大量消費時代の売り込みから、確実に変化している。
大量生産大量消費、大量情報発信時代の終焉
ネット環境などの充実で、個人の消費の仕方が確実に変わってきました。
個人の「情報発信」がカンタンにできる現代の情報社会で、ある意味で「時代」、ある意味で「消費者自身」が、そうさせているんだと思います。
情報伝達のスピードが加速して、一頃前のような流行やブームの回転スピードが上がったり、「少数派」だった人々も、あちらこちらで主張を発信することができ、価値観の多様化が顕著になってきた。
効率よく大量生産したものを、効率よく大量消費してもらうために、マス媒体を使って大量に情報発信して、効率よくビジネスする時代から、「個々の価値観」を重要視するビジネスへ変化しています。
大袈裟に言うと、「効率」を重視した大量生産大量消費、大量情報発信時代の終焉です。
「個々の体験」をもって、商品・サービスの「価値の本質」を「個々の価値観」に訴えるべき
すでに「体験」をマーケティングに活用している大企業との対峙
先程も申し上げた通り、「体験」をもとにしたマーケティングは、「個々の価値観」に訴えるための手法です。
商品やサービスの「価値の本質」を、個人個人の「価値観」に訴えるために「体験」を使う。
しかし、「体験」は、大量生産できないし、大量発信できません。
なぜならば、「体験」というのは「個々」のものだからです。
大企業が「そこそこの好印象の体験」をもって、人々に自分の製品やサービスを売り込む、とするならば、資本の小さいローカル企業や小売店、飲食店、美容室などのサービス業のお店、個人店は、「個々の体験」をもって商品・サービスの「価値の本質」を「個々の価値観」に訴えるべきだと思うんです。
その他多くの企業や中小の小売店、飲食店やサービス店、個人店、施設は、そんな時代の変化に「気づいて」はいるけど、経営の根幹でもある「効率」を考えると、なかなか移行できないのが実情ではないかと思います。
巨大メーカー企業だから、ある一部の製品において「効率」を無視することができているのかもしれません。
そんな大企業に対峙するには、「効率」を基準にしたビジネスモデル(大量生産大量消費時代はまさに「効率」を重視)ではなく、「効率」は少し後ろに置いた考え方になるんだと思います。
「個々の体験」に基づいた「共感」や「共有」は、繋がりを強くし、結果的に効率がよくなる。
「体験」をもとにしたマーケティングを推進するには、事細かなコミュニケーションを通して「伝える」ことが大切です。
今までのような「情報垂れ流しのマス媒体」中心の情報発信ではなく、直接的にピンポイントで「興味・関心」のある消費者に情報を届ける方法です。
「興味・関心」を持った人々に直接的に情報を届けるには、あらかじめ「興味・関心」を持った人々を囲い込んでおく必要があります。
そして、「興味・関心」を持ってもらうためには、前後して「共感」を得ることが不可欠です。
「共感」を得るには、個々の価値観を刺激したり、揺さぶる必要があります。
「価値観」とは、
親や生活環境、書物などの対外的刺激などから形成されるもので、個人的な体験をきっかけにしたり、思考の積み重ねで独自の価値観が構成されるもの。
(ウィキペディアより)
と、すれば、個々の価値観を刺激、揺さぶるためには、「体験」を想像してもらうことが一番の方策といえるのではないか、と思うのです。
地道にコツコツ、時間を掛け、「共感」を得て、「興味・関心」を持ってもらい、「ファン」をつくって囲い込む。
または、「興味・関心」を惹きつけ、商品の良さやお店の個性に「共感」してもらい、「購入」へと結びつける。
大量消費時代から考えると、なんとも野暮ったい方法ですけど、「個々の体験」に基づいた「共感」や「共有」は、繋がりを強くし、結果的に「効率よく」製品を流通させることができる、というわけです。
いわゆる「急がば回れ」的発想ですね。
「個々の体験」をSNSや店舗装飾・ディスプレイ、POP(ポップ広告)で情報発信する
「価値の本質」を、「個々の価値観」に訴えるために「個々の体験」を用いて訴える購買時点の販促
現段階で、その「個々の体験」を具体的に表現し「共感」を集めるための、ひとつの手段が企業ブログやFacebookなどのSNS、そして、お店や施設・売り場にとっては、「購買時点」で、消費者に直接、「体験」をアピールしたり、「提案」したり、SNSや販促で発信した情報を補足したり、など重要な役割をもったツールとして店舗装飾やディスプレイ、POP(ポップ広告)、商品陳列があります。
「体験」をもとにするマーケティングは、とにかく、今までのような「効率」だけを考えていては、発想できない、商品やサービスの「価値の本質」を、個人個人の「価値観」に訴えるために「個々の体験」を用いて訴える手法です。
ご興味が湧かれましたら是非お試しください。
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