店舗や施設のディスプレイ・装飾に役立つシーズン演出するための飾り付けの配色カラーヒント・コツ

カラー(色)構成・配色による季節感を飾り付け、演出するディスプレイ・装飾

 

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お手紙の挨拶文や、俳句、短歌に「季語」が使われるなど、日本人は昔から春・夏・秋・冬という「四季」を大切にしてきました。

 

あるアンケート調査の結果で「季節感」を大切にしている人は全体の8割を占めることが報告されています。

男女ともに年代が上がるにつれて「季節感」を大切にする傾向がみられ、特に女性の40代、50代では約9割が「季節感」を大切にしていると回答しているということです。

 

四季のある国々は他にもありますが、日本に暮らす私たちは、ただ「暑い」とか「寒い」といった肌で感じる感覚にとどまらず、四季折々の情景や季節感を心で感じていますね。

 

子供の頃から自然に親しみ、季節を想う心によって四季折々の豊かな文化を育み、風情を大切にしながら生活しています。

たとえば、

桜の開花で春を喜び、新緑の緑の中で新生活にワクワク心躍らせます。

 

暑い夏の太陽にさらされながらも、宵口の色とりどりの花火を見て涼をとったり、

 

澄んだ青い空に、山々が紅葉で色づく秋の日は、旬の味覚を味わう楽しみがあり、

 

北風に雪が舞う寒い冬では、彩るイルミネーションのなかクリスマスを楽しんだり、温かい鍋を囲んで一家団欒したり。

こうした、人の視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚という「五感」で、普段何気に感じているものが「季節」であり、春・夏・秋・冬という「四季」なんですね。

 

 

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「色彩」は季節を採り入れたディスプレイや飾り付けのデザイン構成の重要な要素

日本人の季節感の意識は、季節感のアンケート結果や普段の生活からも、十分高いことがわかります。

人々の「季節感の意識が高い」ということは、店舗での四季の演出は、

 

「注目」され、

「共感」され、

「親近感」

を感じやすいということです。

だから、季節とともに展開する店舗のシーズンディスプレイ・装飾、飾り付けは、

人々から「共感」を得るため

のとても重要なツールなんです。

 

季節をエッセンスとして採り入れたディスプレイ・装飾のデザイン構成・演出において「色彩(カラー)」はとても有効な要素です。

店舗のディスプレイ・装飾、季節感の飾り付けを演出する、一般的なカラー(色彩)構成・配色について解説します。

 

※色の基本について詳しく解説しています。

人々の感情に響くディスプレイ・装飾のカラー構成【基本編】

 

 

春をイメージさせる色(カラー)

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多くの草花が色づく季節、春。

「春」という季節は、人々をワクワクさせたり、前向きでポジティブな心持ちにさせたり、活動的にさせたり…

多くの人々は、春を待ちわび、春の到来で心躍らせますね。

 

○田園に広がる「菜の花」の黄色

 

日本の春の花を代表する「桜」をイメージさせる淡いピンク

 

入学式シーズンのイメージにぴったりな色とりどりの「チューリップ」

 

春が深まるころの淡い紅色をした「つつじ」

 

新緑の葉がまぶしく若々しい黄緑色

 

 

などなど春の色(カラー)は、「甘美」や「優美」をイメージする明度を高めた淡い色調の「パステルカラー」が最適です。

とくに、暖色系で「黄色」「赤」「グリーン」などの色相のパステルカラーは、春の暖かさや華やぎ感をイメージさせるカラーです。

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ウォームカラー(暖色)が中心になりますが、春の爽快な空をイメージさせる淡いブルーや水色などのクールカラー(寒色)も、春のディスプレイ・装飾カラーに適しています。

 

淡く優しいパステルカラーにベージュ系の自然色を配色すると、やわらかく、なじみやすいナチュラルなイメージに、白を配色するとロマンチック感が表現できます。

パステルカラーは「暖色」「寒色」でも、決して暑過ぎず、冷たすぎず、爽やかで、柔らかい表現ができるので、この季節のディスプレイ・装飾、飾り付けの演出には効果的なカラーです。

 

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※春のディスプレイ・装飾、カラー構成・配色ついて【詳しく解説】

春・新生活シーズンのディスプレイ・装飾のコツ・ヒント

 

 

初夏をイメージさせる色(カラー)

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店舗や施設の「春」ディスプレイ・装飾、飾り付けは、4月初旬、遅くとも4月中旬ごろには終わります。

新年度が始まってようやく新生活もスタートし、地方によっては桜も散り、入学式や入社式、主要な年中行事もひと段落着くころです。

陽気もあたたかくなって、「季節の変化」が肌で感じられるようになると、人々の動きが活発になります。

 

いよいよ〈アクティブ!〉なシーズンの到来ですね。

 

季節的には、まだ「春」なんですが、ディスプレイ・装飾、飾り付けは、これから人々が活動的になることを先取りして『初夏』を演出します。

「初夏」

「early-summer(アーリー・サマー)」

です。

 

「初夏」シーズンの人々の感情的な特徴は、「ゴールデンウィーク」という大きな行事もあることから、上記の通り「アクティブ感」「躍動感」「エネルギッシュ」など、爽やかで清々しい季節に人々が目覚める、ということです。

「元気」に活動する人々を連想します。

 

初夏の色(カラー)構成は、オレンジ、イエロー、ライトグリーンを中心に配色展開すると、

「元気」で「アクティブ!」なイメージになります。

 

色調(トーン)としては、春で多用されるパステルカラーよりも少しトーンを上げて、色彩を強めます。

また、トーンを抑えた淡いブルー系やグリーン系で、青く透き通った空、瑞々しい緑が演出できます。

 

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イエローやオレンジがカラフルで、楽しさや賑わいを演出するのに役立ちます。

 

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※初夏のディスプレイ・装飾、カラー構成・配色ついて【詳しく解説】

初夏のディスプレイ・装飾、飾り付けのコツ・ヒント

 

 

夏をイメージさせる色(カラー)

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春が終わると、気温がジワジワと上がりだし、やがて梅雨を迎えます。

そして、夏。

夏のイメージで最初に思い浮かぶのは、やっぱり「暑さ」です。

ギラギラとした夏の太陽に照らせれ、賑やかで、見るものすべての色に「力強さ」や「活気」、「躍動感」を感じます。

 

空や海の青

 

春先の新芽の黄緑とは異なって、緑が深く濃く、太陽の日をたくさん浴びてイキイキとした植物の葉や農作物

 

太陽や暑さを表現する、赤やオレンジ

 

向日葵の黄色

 

夏の夜空を彩る花火

 

 

などが、夏に似合う色ですね。

 

夏の色は、春の色のイメージより、彩度を上げ、原色に近い色が適しています。

 

色調(トーン)としては、ビビッドカラーです。

 

原色に近づけること、ビビッドカラーでの配色は、力強さや活力、躍動感、エネルギッシュが表現でき、ディスプレイ・装飾、飾り付けで演出できます。

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ビビッドカラーの色相に黒を加えて配色は、ワイルドでダイナミックな表現で存在感が増します。

 

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また、暑さを強調し過ぎて「暑過ぎる夏」を極端に飾り付けて演出してしまうと、人々に「不快感」を連想させ敬遠される恐れがあります。

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ディスプレイ、装飾、飾り付けの用途によっては、暑苦しさを避け、逆に「涼しげ感」をデザイン表現として演出する場合もあります。

「涼しげ感」のディスプレイ・装飾、飾り付けの演出の際は、春のイメージカラーと同様に、明度を高め、パステルカラーで展開すると効果的です。

 

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※夏のディスプレイ・装飾、カラー構成・配色ついて【詳しく解説】

夏のディスプレイ・装飾、飾り付けのコツ・ヒント

 

 

秋をイメージさせる色(カラー)

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夏の暑さが徐々に和らぎ、空気が変わってくると秋です。

夏にたくさんの日を浴びて、イキイキと育った農作物の色味も深みのある色へと変化していきます。

 

○山々が美しく彩る紅葉の深みのある赤系の色々

 

○黄金色の稲や穀物、農作物が熟した茶色

 

十五夜の月やすすきのベージュ

 

○人々が行き交う街路樹が色づく濃い黄色

 

など、深みがあって落ち着きのある配色、茶色系やベージュ系を配色が秋のカラーに最適です。

やわらかいブラウンやオレンジ系のウォームカラー配色は、温和でありながら愉しいイメージが表現できます。

 

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原色を基調とする夏の鮮やかなカラーから、冬へと移行する秋の色の特長は「落ち着き感」です。

「躍動感」ある夏のカラーとは対照的に、「落ち着き」は秋をイメージする配色の大きなポイントになります。

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同じ色相でも、彩度や明度を下げたウォームカラーは、落ち着き感をイメージさせます。

 

秋のイメージの象徴でもある紅葉を表現する場合は、ウォームカラーを基調に同類色でまとめ配色します。

同類色でまとめられた配色は、なごやかでやさしく、安心感をもって人々に共感されます。

 

また、秋の「愉しさ」を表現する場合は、トーンを下げた赤系や黄色系をベースに、同じトーンのグリーン系などでアクセントをつけると、「落ち着き感」のイメージをだしつつ、彩のある紅葉の「愉しさ」も表現できます。

 

のディスプレイ・装飾、飾り付け、販促ツール制作のポイント【詳しく説明】

「秋」の店舗や施設のシーズンディスプレイ・装飾、飾り付けのヒント・コツ

 

 

秋のイベント「ハロウィン」をイメージさせる色(カラー)

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「ハロウィン」の基本カラーは、ハロウィンのメインアイテム「かぼちゃ」のカラー「オレンジ」と、夜の暗闇の色である「ブラック(黒)」をベースにすると雰囲気が表現できます。

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ほぼ、この2色でハロウィンのイメージは出来上がるのですが、ディスプレイや装飾、飾り付けアイテムなど、店舗や施設の販促ツールとして展開する場合は、上記のイメージに因んだカラーを追加していきます。

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ハロウィン【Halloween】ディスプレイ・装飾、飾り付けヒント・コツ【詳しく説明】

ハロウィンの店舗や施設ディスプレイ・装飾、飾り付けヒント・コツ

 

 

 

冬をイメージさせる色(カラー)

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秋が深まり冬に移行するときに、まずあげられるイメージは、人々が肌で感じる「寒さ」です。

四季の色は、夏から秋にかけて徐々に色あせて、冬になるにつけ、白やグレーなどの無彩色に近づいていきます。

 

○葉が落ちてシンと静まる街路樹のグレー

 

○積もった雪や冷たい風に舞う粉雪の白

 

○寒さで凍る山の樹木や湖、滝の幻想的な銀色の世界

 

 

などが冬のイメージとして想い描かれます。

 

冬の寒さや情景から「静けさ」や「幻想」、「ロマンチック」を感じさせるカラーが冬の色の基調になります。

「静けさ」の表現は、主にグレイッシュトーンであり、無彩色に近づきます。

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秋とはまた別の「落ち着き感」ですね。

 

白と水色、グレーの組み合わせは、クリアでシンプルに「静けさ」を表現します。

 

 

ただし、冬は「静けさ」ばかりではありません。

冬という季節にも「クリスマス」や「お正月」といった年中行事や楽しいイベントがあります。

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○赤と緑を基調にしたクリスマスの飾り付けと、色とりどりで賑わしい街のイルミネーション

 

○店舗やショッピングモールを賑わす「歳末セール」「バーゲン」の赤

 

○お正月を厳かに演出する赤や白

 

○バレンタインデーを盛り上げる艶やかなピンク色

 

 

 

など、冬の「静けさ」のカラー基調の季節に、お正月やクリスマス、バレンタインなどの「賑やかな」カラーが加わることで、人々を一層魅了するディスプレイ・装飾のデザインになるのでしょうね。

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冬のカラーも夏の季節と同様に、「寒さ」や「静けさ」ばかり強調してしまうと、極端に「寒すぎ」、「暗く」なってしまい見る側に逆効果になってしまいます。

「静けさ」のなかにも「暖かみ」のあるカラーをポイントで加えて安心感を演出したり、「寒さ」のなかにも「賑わい」のあるカラーを入れることで「愉しさ」をディスプレイ・装飾、飾り付けのアイテムで演出するなどの工夫が大切です。

 

 

※「ディスプレイ」について【詳しく解説】

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野村 健(Takeshi Nomura)

有限会社次元クリエイト 代表: お店や施設、売り場のディスプレイ・店舗装飾、季節の飾り付け、POP(ポップ広告)制作を中心に、《集客》のための販売促進ツールのデザイン企画・制作、装飾品・インテリア・販促品の販売を行っています。 目指すことは、単なる「飾り」や「デザイン」ではなく、《共感性+意外性=面白い!》をテーマに、購買時点で消費者に「伝わる」《情報発信ツール》として、実店舗のディスプレイ・店舗装飾・季節装飾等の販促物制作を提供したい、と考えています。〜加盟団体:福岡県中小企業家同友会会員