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展示会・見本市の展示ブースの装飾・ディスプレイ、ショーイングのヒント・コツ
国内最大級の見本市「東京インターナショナルギフトショー・秋」を体験して
先日、東京ビッグサイトで行われた「東京インターナショナルギフトショー・秋」見本市展示会に行ってきました。
毎年、春と秋に開催される東京インターナショナルギフトショーは、わずか3日間のイベントなんですが、出展数約2,400社(いずれも消費財関連業界の国内のメーカー・輸入商社・欧米メーカーなど)、総入場者数189,948人(2015・秋:会場(東京ビッグ・サイト))というものすごい数の人々が集まる、日本最大級の見本市です。
消費者のライフスタイルに対応する新製品を主体に、出展商品の豊富さ、多彩さ、ユニークさでは、他のどんな展示会・見本市の追随も許しません。(東京ギフトショーHPより)
展示会場である東京ビッグサイトに着くと会場内は、もう人、人、人だらけ(笑)
あの広い東京ビッグサイト内どこを見回しても人で埋め尽くされています。
会場で配られているバイヤーズ・ガイド(出展社リスト)を見ても、各ブースの文字が細かすぎて、ゲンナリするほどのブースがあり、何が何処にあるのやら、という感じ(笑)
やはり、事前に「見たいもの」「欲しいもの」をチェックして、しっかりタイムスケジュールを組んで望むべきイベントだと感じました。
ギフトショーは、新製品や話題の商品、アイデア商品などの商材が並び、ディスプレイや店舗装飾、店舗の飾り付けのアイテムや陳列・配列、展示会のブースデザインに至るまで勉強になることが山ほどあります。
2,400社もの展示会ブースがあるわけですから、どこも趣を凝らして演出しています。
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そんな展示会ブースの装飾も時代とともに変化しています。
バブル期の展示会ブースは、今の展示会ブースのデザインと比べて、お祭りイベント的な色合いが濃く、派手さや豪華さ、大きさなど、とにかく他社よりも「目立つ」ことが最優先、といった傾向がありました。
それは、展示会や見本市のみならず、世の中全体がそんな傾向だったのですが、過剰な装飾・資材・労力・費用だったといわれています。
来場者の目的も、「業界の動向」「ビジネスの商材」「商売のヒント」といった堅実なものに変化し、「お祭りイベント」に参加するような浮ついた感じはなくなりました。
展示会・見本市自体、本来のトレードショー・ビジネス取引の場としての意味合いが強くなり、展示とセミナーのセット開催が増え、セミナー目当ての来場者も増えいるといわれています。
展示会出展のブース装飾制作のポイント。
1.展示会・見本市に出展する「目的」「目標」の明確化と、「テーマ」の設定
展示会に出展する際に大切なことは、「出展目的」を明確にしておくこと。
出展を通して、
「誰に何を伝えたいのか」
「何を目的とするのか」
そして、「何を もって成功とするのか」という「展示会の目標」を明確にすることが大切です。
次に目的・目標を踏まえ、展示会の「全体テーマ」を定めます。
展示会ブース制作は、様々な役割で多くの人々が関わります。
その関わる全員が共有できる本展示会の方向性、つまり「全体テーマ」の設定は、展示会の成功をにぎるポイントになります。
これらが明確でないと、ただ単に「出展しただけ」ということになりかねません。
展示会出展における「目的」「目標」を達成するための、「テーマ」の設定、そして手段・ツールのひとつが展示ブース装飾・デザインなんです。
2.展示会ブース装飾のデザイン~いかに「興味をもってもらうか」の工夫。訴求力のある展示ブースづくり。
展示会・見本市の出展は、いかにして自社ブースへの来場者数を増やすことが出来るかが成功のカギを握ります。
競合他社がひしめく中で、注目を集め、興味・関心を持ってもらうためには、効率的なアプローチが必須です。
展示会では同じような空間のブース小間(コマ)が数多く並びます。
その中で、一目でアイキャッチ効果を発揮するのが、「カラー」の選定です。
もちろん、自社のコーポレートカラー、商品のプロダクトカラー、商品のイメージカラーなどを使用することが優先されますが、他社との差別化や個性的なブースづくりで「目立たせる」ことを目的にすると、「カラー」の設定は、展示会会場の環境・隣接する競合他社の動向など総合的に考える必要があります。
また、動画の活用など、ちょっとしたアピールの工夫や、人々の足を止める装飾アイデアで、お客様の導入は大きく変化します。
3.出展商品の絞り込みと展示商品量
展示会や見本市では、ブースの規模によって、豊富な数の商品が自社ブースに並べられるブースもあれば、単品商品のブースもあります。
限られたスペース、限られた時間の中で商品を見ていただく事になりますので、ブースの小間(コマ)によっては、商品をできる限り絞り込むことがポイントになります。
陳列什器の種類やレイアウト・陳列方法から、適正な陳列商品量、適正なアイテム数をを割り出し、お客様の視点や目的に添った展示を心掛けます。
写真引用:wikipediaより
4.来場者の導線を考える。
展示ブースの装飾・デザインと同様に重要なことは、お客様の導線・動線に注視し、展示什器のレイアウトを考慮すること。
また、同じくお客様の動線を考えた上での、商品が「手にとりやすく触りやすい」、商品のアイテム数やカラー、仕様などが「分かりやすい」など商品の陳列・配列など、ショーイングがポイントなります。
また、通りを歩く来場者に「入りやすい」印象を与えることが大切です。
あなたの展示ブースを予め知っていて、目的を持って来られるお客様は、抵抗なくブース内に入ることが出来ます。
しかし、あなたの会社を知らない、扱っている商品を知らないお客様は、「入りづらい」ブースは敬遠しがちです。
出入り口のスペースを確保したり、一目で「何の商品展示をしているか」分かるサインやPOP(ポップ)、装飾があると「入りやすさ」に繋がります。
5.展示ブース業者の選定と展示会までのスケジュール管理・段取り。
展示会の「目的」「目標」「テーマ」が決まったら、なるべく早めに展示ブース制作に依頼します。
展示ブースの規模や内容により制作期間等が変わりますし、総合展示会の場合、一般的に開催の1~2ヶ月前に、装飾・施工届けなどを主催事務局に提出する必要があります。
展示ブース制作業者を選定して、展示ブースの装飾デザインや予算に関わる、小間(コマ)のサイズと会場内の位置、各種規制(装飾物の高さ制限)などの基本情報など、展示ブースの内容の打ち合せはもちろん、開催当日までのスケジュール管理・段取り、設営・撤収などの展示会詳細の打合せを行い、制作会社と密に連絡を取り合うことが大切です。
東京インターナショナルギフトショー・秋の主な出展商品
ベビー&キッズからヤング世代までのキャラクター、ファンシーグッズ、アウトドア用品、スポーツギア、レジャー・トラベル用品。
ステーショナリーとパーソナル雑貨。ホビー&クラフトのためのキットやツール。
ギフト関連商品。小売り・経営支援のための各種サービスやプリント・名入れシステム。
インテリア商品、フラワー・グリーン商品、香りの商品、モダンにアレンジした「日本ブランド」商品。
欧米ブランドや日本初進出のユニークなインポート雑貨、スタイリッシュなリゾートライフスタイル商品。
ペットグッズ、ソーシャルコンシャスな商品。
ファッション雑貨、アクセサリー、ウォッチ、サングラスなどファッショナブルな商品。
ヘルスケア商品やサプリメント、美容雑貨、化粧品。
アイデアグッズやキッチン雑貨、日用雑貨まで、生活に密着したバラエティ豊かな商品。
ハンディクラフト・美術工芸品。
住空間を演出するハイクオリティファブリック。
食を彩るハイデザインキッチン&ダイニンググッズ。
リビングルームをトータルコーディネート。
出展商品アイテムを見るだけでも「東京インターナショナルギフトショー」見本市が、どれだけ大きい規模かが分かりますね。
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